百年の一日

インドとお酒に溺れている岡本の日々

6月1日 (アメリカの現状と「寄り添う」について)

アメリカの黒人差別反対についてのデモあるいは暴動が議論を呼んでいる。私はインドの暴動をテーマに文化人類学の手法で研究をしていることもあって、この「騒ぎ」に対して思うことがたくさんある。それを早く文章としてまとめたいのに、頭の中で繰り広げている思考と、書き出すこの言葉が、どんどんズレていく。今日はこの思考を書き表そうと何度もペンを取ったけど、結局まだまとめられていない。

肌の色で差別される経験をもたなかった環境的に「幸運」な(黄色人種ではあるけれど支配的・特権的と言い換えることもできるだろう)私が、そして初期のニュースで「はやく平和になるといいな」なんて他人事な感想をちらりとでも抱いてしまった私が、「寄り添う」という言葉を軽々しく使うのが間違っていることだけはわかっている。

今の政治家がアホの一つ覚えのように「寄り添う」という言葉を乱発するので言葉の意味が随分軽くなってしまったような気がするけど、「寄り添う」というのは「寄り添われる」対象があり、その対象と自分の立場が異なるのだと自覚した上で(立場が一緒ならそれは当事者だから寄り添うという言葉を使うのは適切じゃない。立場が違うから寄り添わねばならないのだ)、その人々の視点や抱える問題を共有し、支援することだが、本当に寄り添っているかどうかは「寄り添う」側が判断することではなく「寄り添われる」側が判断することで、だから一方的に「私は彼らに寄り添う」と宣言することはそもそも変なのだ(「寄り添いたい」なら許されるだろうかという点は考え中)。そこには寄り添われる側の視点の無視がある。だから矛盾する結論だけど、「寄り添う」という言葉を用いることは真に彼らに寄り添ってはいないことを意味するのではないか。

スピヴァクをはじめとするサバルタン研究に私は強い影響を受けている。だから私の思想の根本には常に「誰が誰を代弁するのか」「その代弁に暴力性はないのか」という問いかけが存在する。

 

また結局うまく書けない。一つの出来事はさまざまな視点、論点で語ることができるので、それを交通整理しながら的確に掬い上げていく作業をしなくてはいけない。それにはもっと時間が掛かるから今日はもう書かない。

ただ、私はこの「デモ」あるいは「暴動」あるいは「怒りの表現」について、そこに参加する人々の気持ちについて気軽に「わかるよ」と言いたくないし「理解できない」と切り捨てたくもなく、立場の違いから完全に手が届くことはないと自覚しながらも理解しようともがくひとりの人間でありたいと思っている。

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◼️今日のメモ

・通院日。昨日歩いて西荻窪まで飲みに行ったせいかもしれないが、膝の骨が少しズレていた。来週さらに骨と骨の間が開くようなら固定が必要らしい。そんなことをサバサバした気のいいおじさん先生に言われる。なんだかこの先生は酒飲みのような気がする。

・昨晩はほとんど眠れなかった。梅雨時はだいたい自律神経をやられるから仕方ない。睡眠時間を1時間削ると作業できる時間が1時間増える。眠いから作業効率は悪いけど、手を動かしていれば良いくらいの単純なタスクなら片付けられる。と前向きに考えることにする。

・新生姜を買ってジンジャーシロップを作った。家にあるお砂糖が「香り砂糖」という種子島産の黒糖の一種なので、普通の新生姜のシロップならピンクになるものが茶色くなったけれど、これはこれでシロップ感(?)があって良いと思う。

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・夕食を食べる気力がなかったけど、なんとかぬか漬けと好物のベビーコーン、そして谷中しょうがを食べた。ぬか漬けは食欲がなくても食べられるから重宝している。

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・前から知っていたことだけど、私は感受性が強すぎる。コロナ禍の初期も休業する店の苦境を想像して病みかけたし、今回もアメリカの件で心がズタズタだ。インドで研究していたときもインタビュー中にぼろぼろ泣いていた。もう少し他人と自分の境界線を上手に引けたほうが良い。そういえばドラクエIIIの性格診断でこの世界には悲しいことと楽しいことのどちらが多いかと問われたときはいつも「悲しいこと」を選んでいたな。

 

 

◼️今日聴いた音楽(印象的なものだけ)

ロマネ / フジファブリック

若者のすべて / フジファブリック

まばたき / フジファブリック

Chocolate Panic / フジファブリック

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フジファブリックのメジャー3枚目アルバム「TEENAGER」を繰り返し聴いていた。どの曲も良い。久々に通して聴いて「まばたき」ってこんなに良い曲だったっけ?とびっくりした。「ロマネ」や「若者のすべて」があまりに良すぎるので私の記憶の中で埋もれてしまってた。もったいないことをしていた。

 

しかしやはりロマネは良い。日比谷野音で聴いたロマネが忘れられない。ライブの時の志村は声が出てないことが多くて(たぶん元から喉が弱い)、それが野音でやるというので不安だったし、実際不安定な曲もあった気がするけど、あの日のロマネは抜群に良かったと思う。

 

◼️今日読んだもの

なし

 

◼️今日のアニメ・ゲーム他

英伝、今日のジェシカの演説は誰か書き起こしして残して欲しい。いまの政治状況にぴったり当てはまる素晴らしい演説だった。

 

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