3日間の労働期間を経てやっと休日。ゆっくり昼過ぎに起きて、だらだら漫画を読んだり、洗濯や掃除をして気づいたら夕方になっていた。
これから少し論文を書こうかなと思っている。翻訳の仕事も少し。
昨日は夜、恋人と飲んだ。仕事帰りの彼に声をかけてもらい一緒に飲むのは本当に久々。もしかしたら去年以来か。それ自体とても嬉しかったけど、もっと嬉しかったのは、昨日の私が友達との先約よりも彼の誘いを優先できたことだった。
何を言ってるんだおまえ、と思われるかもしれないけど、これは本当に自分の中でずっと禁止してきたことだったから嬉しかった。
「約束は守らなくてはいけない」「先にした約束が優先」「友達との約束は守らなくてはいけない」、そういうルールを自分に課して生きてきた。例えば体調不良だとか、親が倒れたとか、そういうのっぴきならない事情のときはそちらを優先してきたけど、「恋人のことを友達や約束より優先する」はNGだったのだ。
だから友達からの誘いのあとに恋人からデートのお誘いがあっても、いつも「先にこっちと約束してるからごめんね」と断ってきた。彼に会いたいなとちょうど思っていた日でさえも。そして断っておきながら「本当はデートしたかったな」と思いながら友達と飲むので、全力で楽しめない。なんなら友達のことを「この子のせいで」と逆恨みまでしそうになる。それじゃ本末転倒で、形だけの約束優先に過ぎない。
なんで友達との約束や先約を優先しなくては、と思っていたかと言うと、「無責任なやつ」「友達より恋人を選ぶひどい人間」として嫌われたくないからだった。私が勝手にそう思っているだけで、友達はそんなこと思わないかもしれないのに。
昨日誘ってくれたのは、土曜日の夜に会っためちゃくちゃ気の合う、双子かと思った人で、だから声をかけてもらったときは本当にすごくすごく嬉しかった。
うちに来たいとのことだったので超ルンルンで、帰り道に八百屋やスーパーに寄って餃子やおつまみの材料を買ったりして、頭の中は作る予定のおつまみや飲みたいお酒、話したいことでいっぱいだった。
そして家に着いたとき、彼から「今日飲まない?」と連絡が入ったのだった。
ちょーー会いたいなと思った。LINEでちょっとしたすれ違いのやり取りもしていて、直接話したいなとも思っていた。それでも一度は断った。「ごめんね、これから友達と飲むんだ」と。「そっか」と寂しそうな返事。いつものことだ。
あれ、そういえばいつも断ってるな。もう何度目だろう、友達からの誘いのあとに彼から連絡がくるのは。いや当たり前か、彼のほうが仕事の終わる時間が遅いから「今日飲みたいな」と思っても当日の連絡は友達より遅くなるか…
そんなことを考えていたら涙が出ていた。彼に会いたかった。彼を優先したかった。それなのに自分で勝手に決めたルールと、勝手に思い込んだ「嫌われるかもしれない」の恐怖で、いつものように「先約を優先する」を反射的に選んでいた。恋人を、というよりも、自分の本当の気持ちを優先してあげていないことが悲しくて泣いた。
もうこのまま友人と飲んでも絶対に心の底から楽しめないのはわかっていた。
一回くらい、ちゃんと、恋人を「えこひいき」してみよう。恋人を優先してみよう。
それで友達から嫌われたら仕方ない。怒られたり失望されたら、仕方ない。私が選んだことなんだから。
でもなんとなく、彼女は私のことを嫌わない気がした。だって私も、彼女が突然そうやって断ってきても嫌わない。ただ残念だなと思い、またいつか飲める日を楽しみに待つと思う。
そうやって恐怖と喜びで泣きながら、友人にドタキャンの連絡を入れ、彼には「断ったから今から飲みに行ける」と連絡した。思った通り、友人は残念がっていたし、家をちょうど出たところだと聞いて私も反省したけど、でも、彼と過ごした夜は本当に本当に楽しくて、そして友人とも日を改めて週末に会えることになった。
別にこれから毎回彼を優先するわけじゃない。ただ、彼を優先したいと思ったときには、心のままに、先約を破ってでも彼を「えこひいき」する。そうしたっていい。常識のないやつと思われてもいい、無責任と思われても仕方ない。私の大切な人たちは私に対してそんな風に思わないだろう、という確信のようなものもあるけど。
私はこれからも私の心を一番に理解して行動していてあげたい。
ちなみに飲んでるときに、双子みたいなその友人の話をしたら、彼が「それソウルメイトってやつやろ」と言ってきて可愛かった。私も同じことを考えてて、でもちょっと恥ずかしくて言い出せなかったんだよ。ソウルのメイト、いいねえ。