百年の一日

インドとお酒に溺れている岡本の日々 (web→ https://lit.link/okapindia)

12月1日(日) 文フリ参加、作ること

先日入稿して完成したZINEの新刊を携えて、文学フリマ東京39に出展してきました。
ブースに足を運んでくださった皆様、本を手に取ってくださった皆様、そして購入してくださった皆々様、本当にありがとうございました。

今日から12月ということで、良いスタートダッシュをきれたような気がする。でも考えてみれば今日は昨日の続きで明日のための前日で、つまりいつだってスタートはして良いし、さらに言えば意識していなくてもいつのまにかスタートしていることだってある。地下水脈が目に見えずとも流れ続けていつか吹き出すように。
たいていの場合、私たちは「いつ」が始まりだったのか、わからない。振り返ってみてそれらしいタイミングを「スタート」だと認定しただけだ。だから私もインド好きになったきっかけは沢木耕太郎の『深夜特急』だと何度も言っているけれど、それは私がインド好きになったのだと自覚したタイミングでしかない。もしかしたら生まれたその瞬間から私はインドが好きだった可能性もある。その「好き」という想いにずっと気が付かなかっただけで。

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今年になってから急にZINEを作り始め、文筆家になりたいのだと周囲に公言するようになった。私がホームとする西荻窪という街にはアーティストやクリエイターやミュージシャンが沢山いて、彼らからたっぷりと刺激を受けたことが作品をつくるきっかけの一つになっている。
私はその人たちのキラキラに憧れて、でも自分はそういう存在にはなれないのだと勝手に思い込んだまま指をくわえながら地団太踏んで、イラストレーターには嫉妬しミュージシャンには恋焦がれ板金彫刻家には遠い世界の人だと壁をつくり…。ZINEを作るようになって一番良かったことは、自分自身をそういうこんがらかった思考回路と感情から解放してあげられたことだった。

でも別のきっかけは、去年友達とインド旅行に行くことになったとき、彼女たちのために「旅のしおり」を作ったことだった。インドが好きで好きでたまらないから、あらゆるインドを見てほしくて、少しでもインドを楽しんでほしくて、純粋にインド愛を詰め込んだ。私は好きな物事に関する文章ならいくら書いても苦にならないらしい、ということを発見したのもこのときだった。
それを見た親友が「これは出版して売ったほうがいい」と言ってくれたことをきっかけに、私のZINE作成の道はスタートしているように思える。

でも、さらにそれ以前のきっかけは、やっぱり恋人に出会ったことだったとも思う。ステージの上で活動してキラキラしている彼に焦がれた。たとえばイベンターをやったりフードを作ったりと裏方のように彼を支えることも考えたけれど、そうではなく、私も表現活動をしてお互いのジャンルで第一線に立ちたいと願いがうまれた。(私の感謝はいつも最終的に家族か親友か恋人に収束していくなあ…)

 

そういういくつもの「きっかけ」が折りかさなって結びついて、今のこのZINEは存在している。たまたまレイアウトデザインを本業にしていた飲み屋のマスターがいたこと、たまたま元編集者で本を売ることに快く協力してくれる人と出会ったこと、委託販売を快く引き受けてくれる飲み屋の店主たちがいること、親友が漫画家であること、そして恋人が尊敬と憧れを刺激するアーティストであること、などなどなど。

 

出会ってくれた全ての人たちに、心から感謝します。
そして言葉を、表現を、形にすることができた自分自身を、抱きしめてあげたい。

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Word Chain-dia vol.2、まもなく通販スタートしますので、何卒よろしくお願いします。

 

 

それから、ちょっと試験的に有料記事というものを始めてみようと思ってます。

書くことを稼業とするために、自分の文章でお金を稼ぐ感覚を日ごろから感じられるようにしたいという挑戦と、自分の心の揺れ動きや日々の出来事を公開する以上は自分がすり減ることのないように、大勢の人の目を意識するよりは私に関心を寄せてくれている人だけ受け取れるようにしたいと考えました。

私はどうしても人目を意識しすぎて平然を保つのが難しい性分だということがもういい加減よくわかったので。今後も無料部分や無料記事を書くし、有料部分や記事も書くよ、という感じでぼちぼちやっていこうかと。