金曜日、荻窪の公園で映画の屋外上映があったので友達と観に行ってきた。
『麗しのサブリナ』という、オードリー・ヘップバーン主演のラブコメディ。小雨が降るなか芝生に座って虫の声を聞きスクリーンを眺める。前に座る人たちの傘で見えなくなった字幕のかわりに、私は心の中で登場人物のセリフをアテレコして過ごした。弟に惚れるヘップバーン、そのお兄ちゃんにも惚れるヘップバーン、どちらかなんて選べないと悩むヘップバーン、ヘップバーンを巡って殴り合う兄と弟…(※これは字幕を見ず英語も聞き取れずに鑑賞した私の想像の物語です)。
そうこうしているうちに"The End"が表示され、どうやら映画は終わったらしかった。唐突な終わりの訪れに、昔の洋画ってこうだよねと友達と話しながら公園を出る。終わるときは本当にあっさりと終わる、それが潔くてわりと好き。
そのあとは西荻窪へ。Picnicというお店でワインとお料理をいただいた。食べながら、友達が最近死にかけたという体験談を聞いてうっかり涙ぐむ。生きていてくれてよかった。
コロナ禍の緊急事態宣言もすっかり過去のものになって、最近は親しい人たちに会えることが当たり前になっていたけど、そもそも生きているから今日か明日かいつかは会えるし、会えなくても連絡がとれるのだ。何も当たり前じゃない、とてもありがたいことだ、としみじみ痛感する。
お店を出て、さあハシゴ酒するよと気合いをいれたところに「今日飲まないか」と知人から連絡がきた。友達の死にかけた話を聞きながら、会えることの喜びを想像したときに顔の浮かんだ人。先日インドに行って色々とトラブルに巻き込まれながらも無事に帰国したのだという。なんとタイムリーな。
ちょうど友達にも紹介したいと思っていたところだったので、彼とも合流して3人で改めて乾杯した。
私は顔に出やすいほうだから、好きだなあ楽しいなあと思う人たちの近くにいるとニコニコしてるかぽわぽわしているだろうなと前から思っていた。
思っていたけど、友達がその日の私の写真を撮って送ってくれたものが予想以上の全力笑顔。少し恥ずかしい。
好きな人たちに会えて一緒に飲めたこと、取り止めのない話をできたこと、それが本当に嬉しい夜だった。こういう夜が何度も訪れますように。(だけど二日酔いにはなりたくない)