七夕について考えるとき、「きらきら星」と「笹の葉さらさら」がよく頭の中でごっちゃになる。星がさらりさらりと鳴っているような気がしてくる。
星は確かに地球から見る分には細やかで、輝く砂粒のように見えて、こすりあわせたら「さらさら…」と鳴りそうな気もする。
だけどあいつらは燃えているのだ。宇宙空間で、真っ暗な黒い闇の中でごうごうと燃えている。地球から見えるくらい激しく燃えているんだから、ほんと、ごうごう鳴ってると思う。
そう考えるといつも勇気が湧く。
星は七夕の夜もごうごうと燃えている。
星に勇気をもらいながらここ最近の出来事を振り返る。とても悲しい出来事があった。
まだ実感の湧かない身体で空を見て、暗闇で燃える石の塊を想像して、どちらも途方もなく現実離れしているように思えて、現実に戻るべく豚の肩ロースを煮た。豚肩ロースがどこのスーパーでも安かったから。
かつて私は料理が下手だった。今も特別に上手とは思わないけど、自分の食べたいものを作れるようになったことが嬉しい。
私は要領が良くない。ひたすらに場数を踏むこと(しかも人より多く場数を踏むこと)でしか成長できない。
でもそれで良いんだ。