百年の一日

インドとお酒に溺れている岡本の日々

1月14日 タゴール、長風呂

必要があってカーストに関する本を読み直しているとふいに思い出した記憶。

インドに留学していたときお小遣い稼ぎにヒンディー語の通訳をしていた。

デリーにあるサンタナという日本人宿に泊まっていたお客さんに時間制でお金をもらってヒンディー語を話すインド人との会話を訳した。

大学生の男性に雇われたことがあった。将来メディア関係の職に就きたいと話していた彼は、インド人にカースト差別のことについて質問するために私を雇った。宿を出てしばらく歩き、その後、道端にいるインド人に声をかけ始めた。今の私だったら絶対にそんな通訳は断るし諫めると思う。こういうセンシティブな質問を関係構築できていない人にぶつけるのは当然ダメだし、関係構築できていても倫理上インフォームドコンセントの手続きをとらなくてはいけない。

でもそのときは言われるがままに通訳した。自分のことを最低だといま振り返って思う。あのとき何を考えていたかは思い出せない。

 

真木あかりさんのブログ、良い文章だなと思ったので引用。

2021年1月13日、やぎ座新月。いま世の中のために、自分は何ができるのか? - 占い師・真木あかりのブログ

すごいことだけがすごいわけじゃないです。日々がスペシャルなことだけでなく地味なことの集積であり、むしろ後者がスペシャルを支えているように、社会もそうした構造を持っているのではないかというのが、2021年はじめての新月における思いです。

 

渋谷アップリンクへ「タゴール・ソングス」を観に行く。

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タゴール・ソングス - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

 

インド研究をしている文化人類学者だけど音楽方面には疎く、タゴールの歌もインド国歌以外は初めて聴いた。映画を観てインドの古典音楽や詩に興味が湧いた。

 

昨日は新月だったのでローリーというパンジャーブ地方の人には欠かせないお祝いの日だった。昨日のうちにメッセージを投稿したら今日になって何人かからメッセンジャーに連絡が来た。

インドは月の暦を基準に動いていて、季節も「この新月の後はこうなる」と月に合わせて移り変わる。暑さや寒さも新月にあわせて変わるのだ。新月の日程は毎年変わるのに季節の変わり目がそれとぴたりと一致するのだからすごい。

私が占星術を信じるようになった理由の一つがこれで、月に引力があって潮の満ち引きが変わるように、各惑星にも引力や何か力があるんじゃないかと考えるようになった。

 

夕飯後のお皿洗いをしていると、ふいに、過去がそっと張り付いてくるような感覚をおぼえた。

吉祥寺からの帰り道、暗がりの中もやもやとした塊のように見える木々を道路から眺めて、群馬の山の中にある実家のことを想ったり、今日は意識がふいに別の場所に飛んでいく。

 

長風呂をしているとムギさんが不機嫌になる。私が常に視界に入っていないと落ち着かないらしい。

ついでに長風呂している間に知人から電話がきていたけど出られなかった。長風呂は良くない。

 

◼️Twitter

 

 

 

◼️音楽


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◼️本

「百年と一日」を読了。

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前に知人に、私は他人の人生にとてもとても興味があるのだ、自分のこの一回きりの人生に満足できないのだ、と話したときに「本を読もう」だか「読むしかない」だか「読むことだ」だか、とにかく本を読むことが他人の人生を知る近道だということを言われた。それはその通り、わかっちゃいる、けどなかなか読む時間を作れなくて。と言い訳しながら過ごしたのが去年で、この本も去年彼とそんな話をした前後に購入していたものだった。

読むことができて本当によかった。私は街や人のいかに多くを見落としたまま過ごしてきたのだろうと思った。私はあるとき噴水の前にいたし、あるときは駐車場のラーメン屋にいて、あるときは藤の花の綺麗なタバコ屋の前にいた。そんなときが絶対にあった。

この短編集には作者の柴崎友香の、時間と空間、人と場所への愛が詰まっている。

百年と一日

百年と一日

 

 

◼️そのほか

タゴール・ソングス(映画)、Dr.Stone2期、ひぐらし業、五等分の花嫁を観る。木曜日はアニメのリアタイ視聴が多い日。

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