百年の一日

インドとお酒に溺れている岡本の日々

息しているような美術展 TOKYO2021行ってきた

TOKYO2021の美術展に行ってきました。

「災害の国」と「祝祭の国」の2会場に別れていて、見応えがあります。

 

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会田誠の作品があるとか飴屋法水(アメ    ズ)が座っているとか、そんな断片的な情報に興味をひかれて行ってきたのだけど、めちゃくちゃ良い展示内容だった。

アメ    ズはもちろん、カオスラウンジの「東海道五十三童子巡礼図」も先日の京アニ火災を受けて急遽作られたそうだし、現実に呼応して息をしているような作品が多かった。


なかでも特に檜皮一彦と高山明の映像作品は心に残ったな。檜皮さんはご本人が在廊していて、来場者の方とリフトに乗ってジェンガをやっていた。映像作品の再現らしい。

失礼ながら彼のことをまったく存じ上げなかったので、映像作品を見たときは「ん?特殊美術?」と思ってしまった。ご本人がいなければわからないままだったかもしれない。それがわかってからもう一度、太陽の塔にたくさん突き刺さった車椅子を見て、なにかゾワっとする気持ちに。

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飴屋法水もいました。彼の場合はたまたま在廊していたのではなく自身を「展示」していたのだけど。

麻原彰晃の言葉「なぜか生きている」と書かれた壁にもたれて座っていて、横にリンゴやタバコや枯れた彼岸花、そして日々のメモ書きが置かれていた。私は単に「かわいい」と思ってじろじろ見ていたけど、外に出たあとに他の人が「飴屋さん怖かったー」と言っていたのを聞いて、そういえばそうかとも思った。


高山明の「個室都市 東京」は噂には聞いていたけど本当に良かった!時間があるならすべて見尽くしたい。2009年頃に撮られたものも良かったけど、2019年の再録バージョンもとっっっても良い。

良いものはもう「良い」としか言えないので私の語彙しんでるけど本当に良かった。


TOKYO2021は今週の日曜まで都内の京橋でやっていて、入場料も無料。ぜひ。

 

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ここで愛知のこと書くのはどうかなとも迷ったけど、書きたいから書いておく(TOKYO2021の展示内容はもちろん違うし、これは個人の感想です)。

 

例の愛知の件で「美術とは」「アートとは」論が噴出して、知らん人が「アートとはこうだ」とかなんやかんや言ってますが、アートが簡潔かつ一義的に定義できる概念なら今日においてここまで多様な美術館や展示会は開催されてませんよ。


なにより腹が立つのは作品を見もしない、見ても表面しか見ない、解説を見ない聞かない、背景を知ろうとしない人たちの多さで、いつからここはこんなに想像力のしんだ場所になったのかとげんなりします。


想像力を取り戻すためには、逆説的だけど、やっぱり芸術が必要なんだと強く思います。(こういうことを書くと「上から目線」「マウンティング」などと批判される風潮まであるらしく、まじで終わってんなと思いますが。)

私は美術や演劇はほとんどわからないので本と音楽と映画ばかりになるけど、触れ続けなければ想像力は簡単にしぬ。

だからこれからも意識してアンテナをはっていこうと思った次第であります。

 

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おわり。