百年の一日

インドとお酒に溺れている岡本の日々

11月25日のはなし(ナーナク・ジャヤンティ)

結論から言うとパキスタンにはビザ発給が間に合わないため行けず、ナーナクさんのお誕生日はデリーにて迎えることになりました。ナーナクさん、おめでとうございました。

折角なのでデリーにあるグルドゥワーラー(シク教徒の寺院)を色々とめぐってみよう!題して!デリーのわくわくグルツアー!!!

はい、ということで、デリーにあるシク教のグル(1代目~10代目)に歴史的に縁の深いグルドゥワーラーを体力と時間の許す限り回ってみようという、シク教に興味がない人からすれば本当にどうでもいい企画です。
ちなみに気になる参加者は私のみ、若干一名での開催と相成りました。

まずはNanak Piao Gurudwaraへ。ここはナーナクさんが泊まったバンガローの跡地に建てられたありがたいグルドゥワーラーだそうです。
なぜかデリーではバングラ・サーヒブが一番有名かつ人気なグルドゥワーラーですが、ナーナクさんの熱心なファンともなるとこちらの寺院のほうを参拝するようで、本日もパンジャーブ州から巡礼団がたくさん来ていました。
見た目はバングラ・サーヒブによく似てますね。なぜでしょうか。

次にSish Ganj Gurudwaraへ。9代目グルが時のムガル帝国皇帝に処刑された跡地に建てられたとされています。ちなみに9代目グルさんはグル・テーグ・バハドゥール、そうGTBさんなのです。いま私が住んでいるG.T.B. Nagarという街は恐らく9代目グルになんらかの縁があるということ。謎がいっぱいですね。

その次にRakab Ganj Gurudwaraへ行きました。ここもGTBさんに関係のある寺院です。ムガル皇帝に首ちょんぱで処刑されている9代目。彼の首を信者が持ち去って荼毘に付したという、その場所に作られたのがこのグルドゥワーラーだそうです。

疲れてきたのでこれで最後にしようと訪れたのが、皆さんご存知(?)、Bangla Sahib Gurudwaraです。ここは8代目グルに関係している寺院ですが、失礼ながら8代目は子供の頃に死んでしまったのでシク教徒の中でも8代目グルが何した人かよく知らない人もいるんではないかなと勝手に思っています。しかしデリー在住でバングラ・サーヒブの名前を知らないシク教徒はいないでしょう。それくらい有名で大きな寺院です。

 

はー疲れた。巡礼とか、大変だな。私やっぱり宗教に帰依するのは無理だな。

あ、ナーナクさんハピバでした。

11月9日~18日のはなし

■11/9(月)
本日は国際交流センター(Japan Foundation)で映画「祖谷物語―おくのひと―」を観てきました。日本ではミニシアターを中心に上映されていた作品なので、まさかインドに上陸するとは思わず、驚きました。しかも監督がデリーまで来てオープニングトークするという豪華仕様。すごい!!ありがとうインド!!!笑

というわけで映画の感想。
まずこれは当然ながらドキュメンタリーではなく“物語”であること。そして、境界の曖昧さ。この2点を鑑賞中に強く感じました。
境界の曖昧さというのは、たとえばファンタジーと現実、外と内、人と自然の境界線が、物語が進むにつれてそのうち混ざりあっていくこと。ネタバレになるので詳細は控えますが、かかしのシーンはあの映画の中でどうしても必要だったんだと思います。鑑賞後、本当は世の中に境目なんてないのかもしれないなあなんて思ったり。

映画の内容には大満足だったんですが、残念なのは上映環境でした。
やっぱりインドなのでそこまでクオリティーの高い上映はもともと期待してなかったんですが、それにしても酷すぎるなあと。
この映画は35mmフィルムで撮られたものなので、てっきり映写機を回すのかと思ったんですが、どうやらフィルムをインドまで持ってくることが出来なかったようで、DVDでのプロジェクター投影でした。
そのプロジェクターの光量が足りてなさすぎで、画面が全体的にぼんやりしている。恐らく映画向けのプロジェクターじゃないんでしょう。

映画自体が良かっただけに、画面上でよく見えない箇所などもあって、ちょっとイライラが募る上映でした。
でもこういうミニシアター系の作品がインドでも定期的に観られるなら、それこそ本気で移住しても良いくらいなので、今後もこういうイベントがあれば良いなあ。

 

■11/12(木)
昨日というか今日の明け方4時頃まで夜更かししていたせいで、目が覚めると12時半でした。学校。。
夜更かしというか、単純に眠れなかったというのもあります。なぜ眠れなかったか?

ディワーリーの爆竹がうるさかったからだよちくしょう!!!!

耳栓を買っておけという言葉の意味がよくわかった初ディワーリー体験でございました。
とにかくうるさい。ディワーリーは昨日11/11だったわけですが、日付変わった瞬間くらいからあちこちで花火があがったり路上から爆竹の炸裂する音が聞こえてきたりと、とんでもない騒ぎでした。
大きな爆竹が炸裂すると、恐らくその付近に駐車してある車の盗難防止用警報器が作動するようで、爆発音の後に「ぴよぴよぴよぴよぴようーうーうーうーぺぽぺぽぺぽふぁんふぁんふぁん」というサウンドが鳴り響くのも、いとおかし。いや、全然おかしない。単に腹立つわー。
11日の夜頃には「ついに世紀末がきたのか」ってくらい激しい自宅周辺の花火で、自室のドアがガタガタいってました。皆さん手持ち花火じゃ満足しないようで、各々のご家庭で打ち上げ花火をあげていらっしゃいました。「た~まや~」なんて言ってる場合じゃない、うるさい。笑

私は例のおばちゃん一家とディワーリーの夜を過ごしたんですが、プージャーが素朴で、子どもたちや兄ちゃんたちとキャッキャしながら手持ち花火とかやって、豪華な打ち上げ花火なんかより素敵だと思いました。
そんなほんわかした気分でいたのに、最後に「爆竹やろうよ!爆竹!」みたいな流れになり、結局はぎゃーぎゃー言いながら逃げ惑う羽目になりましたが。悪ガキどもめ!!!

 

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■11/16(月)
インドはあらゆることがRPGのクエストみたいで、楽しいと思えば楽しいけれど、時間に余裕がないと詰みます。

今抱えているクエスト1「日本からの荷物を受け取る」が1ヵ月掛けてようやくそろそろ終了しそうなので(まだ終了してなかったんだというツッコミは遠慮しておきます^^)、クエスト2「日本にワインを送る」を発動しました。
というか随分前から発動していたんですが、攻略を先延ばしにしてました。

エスト2に関する大きな問題は3つあって、
①荷物梱包用の段ボールが手に入らない(⇒これはそろそろ届く予定の荷物の箱を転用して解決予定)
②日本にワインを送ることがインドの通関的にOKかわからない
③日本での通関時に掛かる税金の処理方法がわからない
という壮大なクエストです。

②は運送屋の兄ちゃんも知らなくて、インドの通関に関するサイト見ても「Free export…No information available」ですってよ。Restrictedのリストには入ってないから行けるんだろうけど不安だ。誰か、インドから海外にお酒を送ったことある人はいませんか。

こういう難題を一つまた一つとクリアするのは楽しいけど、冒頭に書いた通り時間に余裕がないと詰むというか、イライラするし焦るしで、かえって上手くいかないと思うんですよね。あとは心にも余裕がないとストレスで禿げます。
ストレスフリーな楽しいインドライフを目指し、今日も頑張っていきまっしょい。

 

■11/18(水)
3年前、とあるグルドゥワーラー(シク教寺院)の運営者の一人に84年暴動のことでインタビューをさせて頂きました。彼は今やそのグルドゥワーラーの代表運営者の座に就いており、さらにはRakab Ganjというデリーの中でもわりと権威あるグルドゥワーラーにも出張オフィスを持っているという。要するに、かなり出世していたのです。笑

で、その彼はシク教の開祖グル・ナーナクの生誕祭(11/25)にあわせてパキスタンパンジャーブにあるナーナク生誕地にお参りに行くそうです。
シク教の発祥地でもあるパンジャーブ州は、1947年のインドとパキスタン分離独立のときに「人口統計的にはここから先はムスリム多いからパキスタンってことで」みたいな感じで州のど真ん中に国境線を引かれちゃって、シク教徒の聖地はインドとパキスタンの両方に点在することになっちゃったんですね。
つまりシク教徒の開祖の生誕地が、いまやイスラームを国教と定めるパキスタン国内にあるということです。

なんかシク教の話になると止まらなくなりそうなので端折ると、
「200人規模の巡礼旅団でデリーを発つんだが、お前も一緒に行くかい?」と誘われました。そりゃ行きたいよ!!!

ただ、旅団のリーダーに確認が必要なのと、外国人がインドでパキスタンのビザを取るプロセスについて彼が知らないので「ビザは自分で取ってね」という条件付きなのですが。
11/24に出発するらしいので、ビザは3営業日で発給してもらわないといけない。できるんだろうか…。明日とりあえずパキスタン大使館に行って確認してきます。パキスタン行きたいなあああああ!!!!

11月4日~8日のはなし(魚カレーの作り方)

■11/4(水)
先日、読みたい本などなどの荷物を送ってほしいと実家の親に頼んでおり、それが10月20日頃に日本を出たと親から連絡を受けていました。
以前も同様の方法で送ってもらったことがあったので、今回もまあ5日~1週間程度で届くだろうと思っていたのですが、まだ届かない。トラッキングしてもずっと「通関中」の表示のまま。

10日経った時点で一度DHLに問い合わせた結果、「通関で止まっています」とのこと。いや、WEBでトラッキング見てるから知ってるよ。なんで止まってるのか教えてよ。私はどうしたらええねん。
と、そんなやり取りをした後はしばらく進展がなかったのですが、本日ようやく出た結論は、母の書いたインボイスの合計金額が計算ミスっていて通関に止められたとのことでした。

私の計算能力の低さは遺伝だったのか!

それにしても、この事実が判明するまで一日に一回のペースでDHLに問い合わせたり「荷物紛失したかも」などの誤情報を受けたり、DHL日本に国際電話しなきゃいけなくなったり、と散々でした。

DHL日本もDHLインドも、どっちも「折り返します」と言ってから音沙汰ないのが一番困ります。でも悪評高いインドの郵便局だったらもっと時間が掛かっていただろうと思うと、まだマシなのかなあ。

それにしても早く届くといいなあ。。。というか本当に届くんだろうか。。。

 

■11/7(土)

家のご近所のおばちゃんたちから「来週のディワーリーに備えてイヤープラグ買っておきな」とアドバイスされる。

道路での爆竹の応酬、夜中でもお構いなしに上がる花火、寺院から大音量で流れる宗教音楽に耐えられないのであれば、の話。ちなみに家のすぐ近くに寺がある。

自衛用に爆竹も買おうかなと思ったけど、憎しみは憎しみしか生まないんだよということで、爆竹投げられたら走って逃げようと決意した。もしくはレッツ籠城。

しかし下の階に住んでる大家さんとこの悪ガキが爆竹を買って帰ってきたのを見て、敵は城内にもいるのではないかと疑心暗鬼な今日この頃です。

 

■11/8(日)
ドゥルガープージャーの時に仲良くなったおばちゃんの家に、今でも週に1回か2回くらい通っています。
おばちゃんから「あんたは私の娘よ!」と言ってもらえて嬉しいのですが、足繁く通いすぎて迷惑にならないようにしないとなあと。しかしインド人の感覚的に、どこからどこが迷惑で、どこからどこが許容範囲なのかわからない。わからないなら聞くしかないのだけど、聞いても「あんたは私の家族なんだから遠慮する必要なんてないのよ!」とのこと。うーむ。

さて、今日はそのおばちゃんから魚カレーの作り方を教わりました。
いま住んでいるPGは大家がベジタリアンなので、私たち下宿人の食事もベジですが、おばちゃん家はノンベジとのこと。じゅるり。
とはいえチキンも魚も野菜に比べれば安くないので、しょっちゅう食べることはできないとのことですが。今日は私が魚を買うから作り方を教えてよ、と頼んで魚カレー講習会となりました。

使った魚は「マングリー」といって、骨は少なめで脂がのっていて、要はめちゃくちゃ美味しい魚でした。
おばちゃんの家のある地区(※政府指定の「不法占拠地域(JJ・所謂スラム)」に認定されていた)には魚屋や鶏屋や豚屋があって、お兄さんに「これ頂戴」とやるとその場で屠ってくれます。驚いたことに、意外と血が飛びません。

ちなみに動画は既に息の根を止めてある魚をぶった切っているところなので安心してご覧ください。(苦手ならご注意を)

ざっくりとした調理方法は以下の通り。

<使うもの>
・マングリー 1匹(100ルピー)
・たまねぎ 小1個半~2個
・にんにく たっぷり

・赤唐辛子:スプーン半分
コリアンダー(ダニヤパウダー):スプーン2杯
ターメリック(ハルディー):スプーン1杯
・塩:スプーン半分程度
・魚カレー用ガラムマサラ(市販品)
 ※自分でも調合できるがスパイスを揃えるのが手間なのであると楽

<作りかた>
①タマネギを切る。にんにくは粒にばらして皮をむく。
②タマネギとニンニクをミキサーにぶちこむ。どろどろにする。
③カダイ鍋(中華鍋のインドver)に油をたっぷりひく。
④タマネギ&ニンニクペーストを軽く炒める。
⑤スパイス投入。
⑥魚を投入。蓋をして煮込む。
⑦10分たって魚に火が通ったら出来上がり。

やばい、超簡単。そして絶品。皆様もお試しあれ。

10月23日と28日のはなし

■10/23(金)
9日間のプージャー終わった!あのでかい女神像どうすんの?!
おばさん「もちろん川に流すのさ!」

というわけで、ヤムナー川まで行ってきました。不法投棄してるわけじゃありません、ヴィサルジャンという立派な儀式です。

14時過ぎにトラックに乗ってヤムナー川に出発。トラックは2台あり、うち1台にはミュージックシステムを積み、大音量で音楽をがんがん流しながら街中を走ります。もう1台にはドゥルガー像とか供物とか人とかが乗って、主に踊りながら街中を走ります。
ヤムナー川に向かう道はもちろんガッタガタなので、踊ると転びます。でも踊れと言われます。で、踊ると転んで「ちゃんとつかまってなさい!」と言われます。で、トラックの端とかにつかまると今度は「踊れ!」と言われます。その繰り返しで2時間ほどしてヤムナー川に到着。

ヤムナー川は広大でした。ここにもガートがあると言われたのでヴァラナシのような石畳で整備されたようなガートを想像していたんですが、川べりには柔らかい砂地が広がっているだけでした。
リーダーらしきおばちゃんがバナナの上にろうそくをさして最後のプージャー開始。が、子供たちのほとんどは川で沐浴というか泳いだり水掛けあって遊んでたりして見てない…!笑
プージャーの最後にドゥルガー像に色粉を付け、ついに川に流します。泳いで遠方まで運ぶ兄ちゃん達。いけめん。

迷子になった子やトラックから落っこちそうになった人、ミュージックシステムの不調、おばちゃんの体調不良など色々とトラブルはありましたが、とりあえず誰一人死なずに帰ってこられてよかったです。

 

■10/28(水)
ここ数日でデリーは急に寒くなりました。

それでも昨日までは日中32、3℃はあったんですが、今日はついに日中でも30℃いくかいかないか程度だったようです。曇天で北風も吹いていたので、体感的にはもっと低いかと思いました。
道端の露店にも柿が並んでいたり、焼き芋屋が増えてきたりと、ついにデリーにも本格的な秋がきたようです。

私は冬が大好きなので(でも寒いのは好きではない)、早く冬が来ればいいなあ。デリーの家は石造りで夏の暑さを乗り切るために作られているので、冬はめちゃくちゃ寒くて過ごしにくいそうです。寒いのは嫌ですが、「冬の街」というものが好きなので、それは今から楽しみ。

もっともっと寒くなって、街がなんとなく灰色になって、寒いねえ寒いねえと言いながら裸電球のついた屋台であつあつのチャイを飲みつつアールーティキをはふはふ頬張りたい。

アールーティキは最近のマイブームです。あとサツマイモにスパイス掛けてレモン絞って食べるのも美味しい。

いや、やっぱ冬は熱燗だわ。。